メリット 1、社会的信用が高まる。 2、附帯業務を営む事が出来る。 3、社会保険診療報酬について源泉徴収されない。 4、節税効果が期待出来る。 |
1.社会的信用が高まる。
個人医院では経営と家計が一体ですが、法人組織では、個人とは別人格の
医療法人が経営の主体になりますから家計との分離が図られ、金融機関等からの
信用が高まり、経営基盤の安定化に繋がります。
2.附帯業務を営むことが出来る。
訪問看護ステーションの開設や、老人ホームの運営など附帯業務が可能になり、
事業の多角化が出来る。
3.社会保険診療報酬についての源泉徴収
個人医院の場合、社会保険診療報酬は所得税が源泉徴収されますが
医療法人の場合源泉徴収はされませんので、その分資金が有効に使えます。
4.節税効果が期待出来る
@所得税と法人税の税率構造の違いにより節税が可能
個人医院では医院の経営から得た所得は事業所得として課税されます。
所得税と住民と合わせて最高50%です。
法人経営の場合は、医院の経営から得る所得は法人の所得と理事長が
法人から給料として得る個人の所得に分かれます。
法人の所得は、約28%〜40%の法人税・住民税等が課税されます。
一方、個人から給料として得る所得は給与所得として、
給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額に所得税・住民税(最高50%)が課税されます。
A個人の場合には経費に出来ない支出により節税が可能
@.役員退職金の損金算入
個人の場合、経営主体が個人ですから院長に退職金という概念はありませんが、
法人の場合、院長が退職する際、勤続期間や月額報酬に基づく適正額を法人の経費に算入することができます。
A.生命保険料の損金算入
院長を被保険者とする生命保険金は個人の場合、生命保険料控除として
所得控除の対象になるだけですが、法人の場合、契約者が法人で、
保険の種類が定期保険等であれば損金に算入できる場合があります。
デメリット 1.都道府県知事等への決算報告、毎年の資産総額の変更登記など手続きが 煩雑になる。 2.法人設立後は、医院の家計は法人と個人に分離されるため個人としての 可処分所得は減少する。 3.内部留保の処分(配当)が出来ない。 4.交際費の一部が経費に出来なくなる。 |
1.都道府県知事等への報告
医療法人は、決算期ごとに決算の承認のための社員総会の開催等を開き、
決算後3ヶ月以内に、事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、
監査報告書等を都道府県知事に提出する必要があります。
2.個人の可処分所得が減少
医療法人を設立した場合、医院の所得は法人の所得と理事長に役員報酬として支払われる
給与所得に分かれるため、個人が自由に使える所得は個人経営に比べて減少します。
3.内部留保の処分
医療法人は医療法第54条において剰余金の配当が禁止されています。
したがって、毎年法人に利益が発生して内部留保として蓄積されても、
配当や賞与として処分することができません。
4.交際費の一部が経費にならない
個人医院の場合、事業の遂行上、必要とされる交際費に金額の制限は
あませんが、医療法人の場合、交際費に制限が設けられています。
資本金1億以下 支出金額が600万以下の場合 損金算入限度は
支出金額×90%
支出金額が600万超の場合 損金算入限度は
600万×90%(540万)