前回は「歯科・クリニック開業時に必要な膨大な書類の数々」についてお話しましたが、
今回は「医療法人の設備投資についての問題点」について
お話させていただきたいと思います。
医療法人が設備投資を行うものの中には、
社会保険診療や自由診療で使用する医療機械があります。
このため、この設備投資の際にかかる消費税は
仕入税額控除ができず、全額還付はありません。
この消費税問題だけでなく、
医療法人の設備投資コストには
大きな問題点があります。
現代の医療は大きな施設や設備が必要となる場合もあり、
特に地域の基幹になるような病院は病床数も多く、
さまざまな医療を担うために、
施設自体や設備投資にかかる費用は数百億円にもなります。
公立病院であれば、設備投資の費用の大部分は
公共工事として扱われ、税金が投入されます。
しかし、日本国内の病床数の約7割は民間病院であり、
それらには、もちろん税金の投入もほとんどなく、
資金調達の方法は金融機関からの借り入れなどに
限られてしまいます。
それにも関わらず、
診療報酬には設備投資にあたる部分の明確な記述もなく、
公立病院と民間病院では同じ診療報酬で統制されているのが現状です。
公立病院は税金で設備投資ができるのにも関わらず、
借金で設備投資して利益から返済する民間病院と、
同じ方法で利益の計上ができるということです。
そのため、民間病院の負担たるや大変なものです。
設備投資についての考え方や位置づけは
明確なものではないため、今後の大きな問題となっています。
次回は「歯科医院開業時に必要な諸費用」について