前回は「設立事業年度の会計期間における注意点」についてお話しましたが、
今回は「医療法人理事長の報酬を決定する方法」について
お話させていただきたいと思います。
医療法人の理事長の役割は、
役員としての理事と、院長としての医師のふたつを
兼任しています。
そのため理事長報酬を決定する方法は、
医療法人設立の認可申請の際、役員としての報酬と
医師としての報酬を区分することがポイントです。
このとき、理事長としての経営や管理業務と、
院長としての医療業務をそれぞれ明確にした上で、
その業務比率によって区分する必要があります。
理事長は、社員総会や理事会での議長となり、
議案審議と決定を取り仕切ります。
そして、その他の対外的業務の全てを行います。
また、院長は、自らも医師としての医療行為を行う他、
診療所のトップとして他の医師や薬剤師などを管理し、
業務遂行のための配慮をしています。
そのため通常は、理事長としての業務時間よりも
医師としての業務時間の方がはるかに長い場合が多いでしょう。
ですので、理事長としての役員報酬の比率を
少なくしておくことをお勧めします。
また、役員報酬を多額に設定すると
結果的に税金が高くなることもあります。
そのため、役員報酬を決めるときは、
法人全体の利益がどのくらいになるかをよく想定した上で
行うのが良いと思われます。
ただし一度社員総会で承認された役員報酬額を
あとから増額することはできませんので、
理事長報酬の決定方法と決定時期には注意が必要となってきます。
次回は「歯科・クリニック開業時に必要な膨大な書類の数々」について