前回は「医療法人が解散する時のポイント」についてお話しましたが、
今回は「医療法人の合併におけるポイント」について
お話させていただきたいと思います。
医療法人の合併とは、
複数の医療法人が合体してひとつの医療法人に
なることを指します。
合併の理由は様々ありますが、
主なものは赤字経営や後継者不足ということが
挙げられるでしょう。
また、医療事業を拡大する際に
大きな制約となるのが許可病床数です。
これは、合併によって病床数を増やすことができるため、
とても有効な手段と成り得ます。
合併するためには、社団医療法人は社員全員の同意が必要です。
また、財団医療法人の場合は寄付行為に合併可能の旨の記載があり、
なおかつ3分の2以上の理事の同意があれば、合併できます。
そして、合併は社団同士、財団同士のみで可能であり、
都道府県知事の認可が必要となります。
合併の種類には二つあります。
吸収合併と新設合併です。
1)吸収合併
→ひとつを存続法人として残し、残りの医療法人の権利義務は
存続法人に承継させる方法
2)新設合併
→各医療法人を解散させてから新たに設立する医療法人に
すべての権利義務を承継させる方式
新設合併の場合、
新たに定款もしくは寄附行為の作成が必要ですが、
それぞれの医療法人から選任された者が共同で
それを行うので手続きが煩雑です。
そのため、通常は新設合併よりも吸収合併が行われます。
合併は事業承継とは異なり、
契約関係や債券・債務、訴訟リスクなどは
合併後の医療法人のみに引き継がれます。
次回は「設立事業年度の会計期間における注意点」について