前回は「医療法人の源泉徴収」についてお話しましたが、
今回は「医療法人の内部留保」について
お話させていただきたいと思います。
医療法人の内部留保について教えてください
という質問をよく耳にします。
内部留保とは、
一般には企業が獲得した純利益の中から、
株主への配当金などを支払った残りの金額を、
企業の資産として内部に蓄積しておくというものです。
内部留保とは本来簿記会計における正式な言葉ではなく、
社内留保、社内分配などと呼ばれることもあります。
また、必ずしも現預金などではなく、
土地や設備投資として保有している場合もあります。
株式会社などの法人であれば、内部留保は株主の取り分になり、
その使用目的も株主が決定します。
個人経営の診療所などには内部留保はなく、
純利益は院長の報酬などになります。
医療法人では純利益から院長の給与を除いたものが
法人の内部留保として納められ、
社員や院長に配当金が支払われることはなく、
もしも医療法人が解散すると内部留保は国へ帰属することとなります。
また、内部留保は院長が自由に使用できないお金であり、
院長が個人の資金繰りのために内部留保を使用した場合は
利息をつけて返済しなければなりません。
次回は「社会保険料診療報酬の源泉徴収」について