まずはじめに「医療法人制度の歴史について」
簡単にお話させていただきたいと思います。
ご存知のように、日本の医療体制は公的な国民皆保険制度のもと
私的な民間医療機関を中心に成り立っているといえます。
こうした医療システムは戦前におおよその基盤が作られ、
戦後の医療崩壊からの再建を経て築きあげられたものです。
中でも私的な医療機関を中心とした医療体制は、
1874年に公布された自由開業医療制度の確立と
1950年に施行された医療法人制度が大きく影響しています。
主に公的病院が地域医療政策の基幹医療機関としての役割を担うことで、
国民全体に高い水準の医療を提供する体制が整ったといえます。
ポイント1
自由開業医療制度とは、医師が地域を選ばずに
どこででも自由に病院を開設して良いという制度です。
ポイント2
1950年に改正された医療法では、
医師または歯科医師の常勤が3名以上であることが要件でしたが、
1985年の改正では1名でも医療法人を設立することが可能になり、
これによって医療法人の数は大幅に増加しました。
現在、日本の医療を取り巻く環境は、
急速な少子高齢化の進展や医療水準の高度化、
長引く経済の低迷などから大きく変化しています。
近年では医療費の金額が適正であるのかどうかや、
これからの医療体制のあり方が問われていると言えるでしょう。
今まで非営利性が原則であった医療法人の医業経営が
営利法人の参入も検討されるようにもなりました。
次回は「医療法人制度の改正で法人設立が可能になったこと」